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復職体験記ライブラリ

このページでは、バックアップセンター・きょうとを卒業して、
無事に復職されたOBの皆さんの体験記を掲載しています。

社会復帰にあたってのコツ

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うつ病と共に生きていくために 〜病気とBUCが与えてくれたもの、私の場合〜

うつとの付き合いかた

私は今までに5回経験しました。いずれも職場にも慣れ、業務が安定した時にふつふつと沸いてきたように思います。はっきりとは分かりませんが、何か物足りなさを感じ始めるとその症状が出てくるように思います。今回を除き過去4回は全て、会社の転勤のおかげ?で克服できました。


職場環境が変わり、仲間が変わり、刺激を受けることにより何か光を見つけそれに没頭することで克服できていました。ただ、それは自分自身で克服できたものではなく、他責である会社からの転勤という命令により結果的に救われただけでした。なので本質的には何も変わらず同じことを4回も繰り返してしまいました。
ただ今回は黄檗病院での主治医の先生やカウンセリングのドクター、またBUCアップセンターのスタッフに支えられて自らの力で克服できたように思えますので苦しんでおられる方の参考になればと思います。
私が今回気づいた内容は

1.趣味や余暇を楽しむ
2.復職時の会社の対応
3.自己判断

の3つに絞られると思います。それぞれを順を追って説明していきます。

  • 1. 趣味や余暇を楽しむ

    • 社会に出てからの20年間、私の人生は仕事が中心でした。仕事が軌道に乗っているから趣味も楽しめ、余暇を有意義に過ごすことができました。仕事につまずくと、そのことばかりが頭から離れず趣味も余暇も楽しむことができません。趣味をしていても何か上の空で気分転換がはかれなかったんです。そう思うと今まで自分が趣味だったと思っていたものは実は趣味じゃなかったのかも知れません。

      私が趣味に目覚めたのは、復職してまもなくしてからの出来事でした。リハビリ出勤を順調にこなし、通常勤務に変わってから当然残業勤務は一切ありません。勤務も順調にこなし心のゆとりが出てき始めた頃に何かもの足りなさを感じるようになりました。毎日、仕事をして家と会社の往復でもったいない衝動にかられました。新聞の広告に載っていたある本が気になりました。
      『仕事の5力』という白潟敏朗さんの書かれた本でした。早速図書館に借りにいって読んだのですが何の抵抗もなく1日で読みきってしまいました。今まで読書は面倒くさいイメージしかなく、一冊読むのも時間が掛かるし、それならテレビ見てるほうが楽しい人でした。しかし、今回読みきった後で何か今までに無い達成感を感じました。

      その後も新聞の広告で興味のある本を図書館で借りて読んでいくうちに読書の楽しみを感じるようになりました。今では読書が一つの趣味に加わりました。固定観念で「どうせやってもこんなもんだろう」「やっても楽しみはどうせ感じない」という思いがあったので、今まで新しいことにはチャレンジしてこなかったんですが、今回の読書で身近に楽しいことはいっぱいあるんじゃないかと思うようになりました。
      その後は、メタボ解消の為水泳を始め、会社の教育システムを利用した英会話を始めました。
      また、家庭菜園でナス、トマト、しそ、バジル等を育てて我が家の食卓で食します。植物の生育を観察してるのも楽しいもんです。
      いままでやっていた野球観戦とゴルフと非常に多趣味になりました。ひとりで出来るものもあれば、仲間でするものもあるので非常にバランスがいいと思います。仕事で嫌なことがあってもこれらをすると忘れられます。気分転換が出来ます。これが本当の趣味と呼べるものかなあと最近つくづく思います。
      何かを始めることで今まで見えていなかった世界が見えてくることがあります。自分にあったものにめぐりあれば趣味に加え、あわなければ辞めてしまえばいいと思います。私はこれらの趣味が再発予防につながっているように思います。
  • 2. 復職時の会社の対応

    • 私の病気の原因は直属の上司が原因でした。しかし、復職時は職場は変更されたが上司は同じでした。その上司は複数部署を掛け持ちしていたのでしかたなかったです。

      上司は原因が自分であることの認識を持っていましたし、復職時にどう対応していいかとても不安でした。しかし、その不安は即座に解消されました。復職の挨拶に会社訪問した時に、真っ先に駆け寄ってくれ声をかけてくれました。
      上司とはプライベートでゴルフに行く機会も多く、気さくな人であることは十分理解しておりました。仕事には一生懸命で褒めることが少なく、絶えず高い目標を掲げ、部下には叱咤激励をする人でした。以前は職場が違っていたため、毎日顔を会わすことなく連絡はほとんどメールでのやりとりでした。上司からの辛口のメールで私は意気消沈してしまいました。

      しかし、復職後は毎日同じ職場で顔を会わせるようになり、「温かい無関心」を実践されており非常に助かりました。毎日声を掛けられても、対応に気疲れしますし、完全にほっとかれてもこっちが気をつかってしまいますので適度な対応に救われました。今から思うと上司も相当気を使っていたと思います。

      会社側もリハビリ出勤中の時短勤務に応じてくれましたし、配属先の要望にも対応いただいたので感謝しております。その中でもやはり直属の上司の対応如何で復職が成功するかどうかの分かれ道だと思います。私の場合は上司の対応に恵まれたので、うまく職場復帰できたのだと思います。
      後から分かったことですが、上司の私への評価は高かったようです。期待の裏返しだったことに当時は気づかず自分でいっぱいいっぱいになっていたようです。今では過去に何も無かったかの様に接しています。
  • 3. 自己判断

    • 今まで述べてきたように、趣味を見つけるのも、復職に踏み切るのも最終的には自分で決めなければなりません。BUCの仲間やスタッフの意見・体験談は参考になりますが最後に決めるのは自分です。
      助言内容も自分に合うか吟味する必要があります。でも病気の時ってそれが出来ないんです。判断能力が極端に落ちてしまってますから、出来れば考えたくない気持ちの逃避行動が起こります。でもいつか前に進まないとものごとは進展しません。この病気も同じです。

      BUCに通っていた時に、「もう復職してもいいのでは?」とドクターにもスタッフにも妻にも言われてきました。しかし、自分の中では復職に踏み切る自信がありませんでした。もうこの病気の再発はしたくないという気持ちが一番強かったからです。「このまま復職してもまた同じようになったらどうしよう?」「また何年か経ったら同じ時期がきてしまう」等マイナス方向のことばかり考えていました。今の心境をカウンセリングでも相談を受けていました。

      ある日カウンセラーから「復職することに対するメリットとデメリットを書いて持ってきてください」と言われました。正直「書いて何が変わるんだろう?」「面倒だな?」と思いつつも言われたことはする方なので書きました。書いてる内は「いつも頭で考えてることなんだけどなあ」と思いながら書いていたのを覚えています。書き終わっても何も変化は起こりませんでした。しかし、その紙を持っていったカウンセリングの時に変化が起きました。カウンセラーから書いた内容の確認の質問から始まりました。
      ただ私はその質問に答えるだけです。全ての項目の確認が終わったら書いた項目に対して比較が始まります。どちらの項目が重要か?重要でない項目を消しこんでいきます。最終的には1つに絞り込むんでしょうが途中で気がつきました。「復職がいいんだ!」と。
      何か気持ちがすっきりしたのをはっきり覚えています。「今まで何でこんなことに悩んでいたんだろう?」とまさに狐につままれていた感じでした。後になって分かりましたが、これが認知療法なんですね。
      翌日、スタッフに報告しましたがスタッフもびっくりされてました。復職を決心した理由が何か問われましたが、そのときは自分でも分からない状態でした。気づかせてくれたのはカウンセラーですが、結論を出したのは自分自身です。
      私の場合のポイントは『書く』ことにありました。カウンセラーから書いてくるように指示されたのがきっかけでしたが『書く』ことが重要であったと認識しています。「『書く』より頭で考えた方が早い」「書いたって何も変わらない」「書くのが面倒くさい」「書く時間があったら解決策を考えた方がいい」という考え方だったんですが、頭の中のループ状態から抜け出せることが分かりました。
      頭の中だと理解はできているが整理ができていない。自分では整理できている気になっているだけだったんです。しかし、書くことによって記録に残りますし、整理が的確にできます。

      今でも書くことを惜しまず実行しています。仕事はもちろんプライベートでも……。
〈最後に〉
この病気は心の風邪とよく言われます。当の本人は「そんなに甘いもんじゃない」とずっと思ってました。そんな軽い病気ならこんなに苦しまないよ。なった人しか分かりませんよねこの苦しみは。
私は病気名を公表するのがすごく怖かったんです。この病気は弱い人がかかる病気という固定観念を持っていたからです。自分がそう思っていたから公表することによって他人から弱い人と思われるのがすごく嫌でした。
しかし、今は違います。自ら公表しています。それはBUCに一緒に通所していた仲間のおかげだと思います。同じ悩みを持っている仲間がいると思うと恥ずかしくもなんとも無くなるんですね。
健常者の中に1人入っていっても恥ずかしい気持ちはありません。今となってはこの病気になって良かったと思います。病気にならなければ知り合わなかった仲間がたくさん増えたからです。また、自分自身も一回り成長した感じがあります。
ドクターから服薬ストップがかかり、現在の状態はというと職場に行く日は毎日うつですね。
でも、毎日エネルギッシュで元気で楽しいです。病気の時はうつが病気だと思うからつらいんです。今はうつが友達です。基本的に病気だと思っていたときと気持ちは何にも変わっていません。
うつの対処方法を見つけたから、毎日楽しく過ごしています。こういう考え方ができるようなったのはやっぱりバックアップセンターがあったからでしょうね。
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